ADI、CFP算定を通じて建築物ライフサイクルを可視化―環境施策3項目の効果を分析

株式会社アーキテクト・ディベロッパー(本社:東京都中央区銀座、代表取締役社長:木本 啓紀、以下「ADI」)は、賃貸集合住宅「LiVLi」のモデル物件(鉄骨造3階建て/準耐火/1K×18世帯)において、外壁下地パネルの木製化、100%リサイクル石膏ボードの導入、共用部電力の自家発電の3施策をモデル棟で検証しました。これに先立ち、建築物ライフサイクル全体のカーボンフットプリント(CFP)も初めて算定し、今回の結果を基点として今後の改善につなげてまいります。
■3施策の概要とCO2削減効果
・外壁下地パネルの木製化(0.7 tCO2e削減)
・100%リサイクル石膏ボードの導入(8.6 tCO2e削減)
・共用部電力の自家発電(216.6 tCO2e削減)
これらの取り組みにより、CO2排出量削減に寄与しました。特に共用部の自家発電は大幅な削減効果を示し、外壁下地パネルの木製化やリサイクル石膏ボード導入は、削減量は小さいものの、標準仕様への段階的拡張により将来的な累積効果が期待されます。
■削減効果の可視化
CO2の削減量は、直感的に理解できるよう「杉の木が吸収するCO2量」に換算しました。
・外壁下地パネルの木製化:約55本分
・100%リサイクル石膏ボードの導入:約617本分
・共用部電力の自家発電:約15,472本分
こうした補助指標による“見える化”は、環境省の「CFP表示ガイド」においても、消費者とのコミュニケーション手法として推奨されています。
■算定方法と客観性の担保
本算定は、経済産業省・環境省の「カーボンフットプリント ガイドライン(2023年)」及び国際企画ISO 14067:2018に準拠して実施しました。
・活動量データは原則として一次データを使用
・一次データの取得が困難な場合には、算定時に定めたシナリオに基づく二次データを使用
・排出原単位は、IDEA Ver. 3.4(AIST‑IDEA)および環境省排出原単位DB Ver.3.4を参照
これにより、建物ライフサイクル全体のCO2排出量を客観的に算定しています。
■今後の展開
本公表は、建物ライフサイクルにおけるCO2排出量を算定・可視化することで現状を把握し、その知見を今後の設計・調達・運用の改善や新たな施策の検討に活用していくことを明確にしたものです。 建設業界全体ではライフサイクルアセスメント(LCA)の活用が進展しており、ADIも今回の算定をGX(グリーントランスフォーメーション)へと結びつけ、「建築GX・DX推進事業」における実装や事業標準化に反映してまいります。
ADIは、「美しい暮らし方を住まいから」という企業理念のもと、人々の暮らしに貢献する企業として不動産運用の最適解を創造し、豊かな未来の実現を目指してまいります。
【お問い合わせ先】
architect developer, Inc.
株式会社アーキテクト・ディベロッパー
経営企画部 広報課
Email:koho@adi.jp